ヴァンパイア・サマータイム

石川博品の「ヴァンパイア・サマータイム」を読んだ。

世界の人口の半分が吸血鬼で、彼らは主に夜に活動をして、昼間の人間とは共存をしている。っていう設定。
まあそんな中、昼間の人間である主人公と吸血鬼が恋に落ちる、っていう恋愛モノ。

正しい意味での「世界観」が上手くできてると思った。吸血鬼と昼間の人間では12時間ズレて行動するのだが、起きてから食べるご飯のことも「朝ごはん」と呼んだりとか、昼間に行動ができる人間をどこか恐れる吸血鬼とか、「確かにこうなるだろうな~」っていう設定が多い。
後はキャラクターの人間味が魅力だろう。どのキャラクターも普通の高校生で、「ああ、これあるあるだわ」となることが多い。寝つきが悪く、長期休暇には昼夜逆転生活を送る主人公は、吸血鬼と時間を共にできたりとか中々考えられてある。
というか序盤の描写は、作者の語彙の広さに驚く。

夏は夜が短いためサマータイムに入って互いが接する時間が短くなったりとか、そういう切ない感じで話が進んでいく。
視点が主人公とヒロインの両側で話が進んでいくので、二人とも同じことを考えていたりとか、そういうニヤける展開も多いのが良い。
よく言われる「鈍感」とは違って、二人とも検挙なところが、感情移入がしやすい。

ライトノベルを久しぶりに読んでみたが、やっぱり短時間で読み終わる。上手く出来ているコンテンツだ。