know

野崎まどの「know」を読んだ。

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野崎まどの著書は「野崎まど劇場」と「2」しか読んだことがない。

野崎まど劇場は、Twitterとかでとその表現方法が少し話題にもなっている本で、万人にオススメできる読みやすさだ。

それでこのknowは(ネタバレになるけど)(

主人公がいくらか普通すぎると思った。別に無双をしろとかそういう事を言っているのではなく、常イチ先生に見初められたにも関わらず、結局得た物はアルコーン社の研究員と変わらないのだ。佳境部では、有主照がケルビム、輪を描いて回る炎の剣を知ルが担って、主人公がブラックホールの中に入るのかと思っていた。まあ結局はただの語り部だった。

しかし流れというか、こう、ベクトルは「2」と似たようなところがあると思った。

最終的に「人類のワンランク上の生物」とが異常な事象を起こして、トンデモ理論でその現象が説明されていく。そのトンデモ理論についての伏線やら布石やら予備知識は、作中に何度か講義が挟まれ、それを主人公(語り部)のフィルターを通して読者が読む。ストーリーに勢いがつく上手い技法だと思う。後半は鳥肌が立ちっぱなしだ。特にこのknowでは最後の1文が集大を握っていた。残念な点を上げるなら、あとがきがなかった所だろうか。